ある程度の年齢になってくると、スタイルを気にされる人が多くなってきます。
特に女性の場合はその傾向が強いようです。
そこで「大腰筋」という筋肉が注目されて、大腰筋のストレッチなどのエクササイズが行う人が多いです。
しかし、大腰筋エクササイズを行って大腰筋を鍛えてもスタイルが変わるわけではありません。
特に「ぽっこりお腹」に代表される骨盤の前傾は、大腰筋だけを鍛えてもほとんど変化はありません。
ネットの情報では大腰筋の筋力が衰えたから、骨盤が前傾するとされていることが多いです。
しかし、そうではありません。
骨盤が前傾するのは、直接的には骨盤の前後に付着している下肢の筋肉や腰部、腹部の筋肉のバランスのくずれによるものです。
もちろん、「大腰筋」も含まれます。
ですから、上記した筋肉のバランスのくずれを正していかなければ、骨盤の前傾の状態は変化していきません。
でもそれだけでは、不十分です。
間接的に骨盤の前傾に関係している骨盤部以外の筋肉もバランスをとる必要があります。
骨盤の前傾に関係する筋肉は、骨盤周りにある筋肉だけではありません。
全身にあります。
全身にありますから、それらの筋肉も調整していかないと、元に戻ってしまいます。
元の状態に戻っても、継続して体操・トレーニング・エクササイズを続ければ、徐々に骨盤は良い状態になって、骨盤前傾も解消されていくという意見もあります。
でも最初が駄目でしたら、何百回、何千回と体操・トレーニング・エクササイズに励んでも骨盤の前傾は良くなりません。
それから、大腰筋エクササイズを行って、大腰筋を「鍛える」ことによって大腰筋の筋力が強化され、骨盤の前傾が改善されると考えている人が多いです。
でもそのようなことはありません。
その理由は、筋力をつけることと、筋肉のバランスをとることはまったく違うからです。
筋肉を鍛えることは、筋肉に負荷をかけます。
筋肉に負荷をかけると、筋肉が肥大します。
体全体の筋肉をまんべんなく鍛えることが出来ればいいのですが、そのようなことは不可能です。
そうなると、肥大した筋肉とそうでない筋肉がでてきます。
その結果、体のバランスがくずれてしまいます。
体のバランスがくずれるということは、骨盤の前傾がさらに進行することを意味します。
それではなんのためのエクササイズがわからなくなってしまいます。
ですから、体のスタイルのくずれを戻すには、筋肉を鍛えるのではなく、筋肉のバランスをとることが大事なのです。