操体法は、創始者の橋本敬三医師が正体術矯正法を元に考案したといわれる手技療法です。

操体法は、受者に体を動かしてもらって、楽なほうと楽じゃないほうを比較する動診という検査の後、受者自身で動いてもらいます。楽なほうへ動かすといえば、ストレイン・カウンターストレインの理論もほぼ同じだと思います。

この2つの療法の理論は、ほぼ同じ考え方です。しかし、実際の操作はかなり違います。

操体法は、楽なほうへ動かして瞬間急速脱力します。

ストレイン・カウンターストレインのやり方は、痛みが解消または軽減する方法へ体をもっていきその状態を90秒間保持し、その後にゆっくり体を元の位置に戻すというものです。元の位置に戻す時のスピードが早すぎると、施術効果がなくなるため気を使います。

また、楽なほうへ動かす方法は、筋エネルギーテクニック(met-マッスルエナジーテクニック)の操作で寝違いなどの急性の症状に対して用いる、短縮している筋肉の拮抗筋を利用する方法(相反抑制)と考え方は同じです。

操体法も時代と共に変化している

操体法の理論は上記のように「理論だった」と過去形になっているのは、楽なほうへ動かすというやり方は、初期の頃の考え方で、現在は「快適感覚をききわけ、味わう」というように変化しています。

その他体の動きの基本である、前後屈、左右回旋、左右側屈の3つの軸の考え方を取り入れた操体法。

それから、元々操体法は、感覚的な要素を重要視する手技ですが、それに理論的な面からの解釈を加えた操体法もあります。その方法は、理学療法士の先生の考案のようです。

このようにいろいろ考え方を取り入れた方法が誕生したのは、同じ腰痛、肩こりなどの症状でも昔と今では違うため、昔のやり方では間に合わなくなってきたということでしょうか。

操体法創始者の橋本敬三医師が現役だった戦前、戦後は、腰痛、肩こりなどの症状でも肉体的な疲労によるものが多かったので、初期のやり方でも十分通用していたのでしょう。

今は、心の問題が絡んでいることが多いため、昔のやり方をしていてはとてもやっていけません。40年50年以上の長い間やっている人が、そのように言っているのを聞いたことがあります。

快適感覚をききわけ、味わうとはなんだろう

操体法のやり方が「楽なほうへ動かす」→「快適感覚をききわけ、味わう」へと変化しました。

そもそも「楽なほうへ動かす」と「快適感覚をききわけ、味わう」とではどう違うのでしょうか?

操体法の動画を見ていると、両者の違いがおぼろげながら分かるような気がします。

「快適感覚をききわけ、味わう」という言葉の意味ははっきりとは分かりません。

私の解釈では、体が行きたい方向へ動けば、「快適感覚をききわけ、味わう」ことにつながるのではないかと思っています。

例えば、伏臥位で受者の膝を屈曲させる時に、普通に屈曲させるのは体が行きたい方向へ動いているわけではないですから「快適感覚をききわけ、味わう」ということにはなりません。

でも術者が受者の膝を極ゆっくりと屈曲させた場合は、体が行きたい方向へいろいろ動きますので、「快適感覚をききわけ、味わう」ことと同じことになると思います。

ですから、 極ゆっくりと屈曲させる場合は、術者は受者の体の無意識の動きをじゃませずについていくだけですので、操体法の言葉による誘導とほとんど違いがないと考えます。

ただ、術者が受者の膝を極ゆっくり屈曲させていくのは技術がいります。まあ技術と言っても、感覚ですが。