肩こり
目次
肩こりと前かがみの姿勢は関連がありません
仕事などで作業をする時、前かがみの姿勢を続けることが多いですが、そういった前かがみの姿勢は、肩こりの原因になると言われています。
肩こりの原因になるのは、首や肩などの筋肉の緊張が続いて血行が悪くなるためだとされています。
しかし、前かがみの姿勢を続けたとしても肩こりの原因とはなりません。
確かに、同じ姿勢を続けると血行が悪くなりますが、コリや痛みの原因にはなりません。
血行が悪くなるから症状が出るのではなく、肩の筋肉にある痛みやコリを感じるセンサー(受容器)が刺激されるためです。
センサーの部分はツボと言われるところです。
そのツボの部分に過剰に電磁波(気)がたまって、刺激されるため痛み、こりを感じます。
パソコン作業をすると肩こりになる?
1日中パソコンに向かって仕事をしている人が少なくありません。
その作業のせいで肩こりが起きると言ってる人が多いですね。
確かに長時間作業をしていると、手や指、腕などの筋肉が疲労します。
でも、手にある筋肉が疲労したからといって、肩こりが起きるとは限りません。
というのは、手の筋肉と肩にある筋肉は神経的に直接関連がないからです。
一般的には、手の筋肉が疲労すると、肩の筋肉が影響を受けてコリが出るとされています。
しかし、そのようなことはありません。
手の筋肉の影響によるものではなく、内臓が関係しています。
ですから、パソコン作業を長時間するから肩こりが出るわけではないのです。
冷房は肩こりに関係ある?
肩こりの原因の一つとして、冷房が関係しているとされています。
冷房によって肩こりになるのは
冷房
↓
僧帽筋などの筋肉が緊張して硬くなる
↓
肩の周りの血液の循環が悪くなる
↓
酸素や栄養が末端まで行かない
↓
疲労物質が蓄積
↓
肩こり
といったメカニズムがあるそうです。
でも、冷房と肩こりは直接の関係はなく、実際は、内臓が関係して肩こりが起きています。
肩こりで、肩に原因がない?
肩が凝ると、マッサージで肩を揉んでもらう人が多いようです。
肩をマッサージしてもらうと、筋肉がほぐれますので肩が楽になります。
しかし、肩こりが慢性化している人は、肩をマッサージしてもらって2~3日は楽なようですが、また凝ってくるということが多いようです。
なぜ、肩をマッサージしても2~3日位しか楽ではないのでしょうか。
仮に肩の部分に肩がこる原因があれば、上手に調整していけば肩のこりは減っていくはずです。
しかし、いくら肩の部分をマッサージしても、しばらくの間だけしか肩が楽ではないということは、肩の部分には原因がないという可能性があります。
たまたま、肩の部分に凝りが出ているだけだということになります。
歯の噛み合わせが悪いと肩こりになる?
歯の噛み合わせが悪いと、肩こりになると一般的には言われています。
噛みあわせに異常があると、体全体のバランスに影響があるため肩こりなどの原因になるというわけです。
歯の噛みあわせと肩こりは関連性はありません
しかし、そのようなことはありません。
誰でも多かれ少なかれ噛み合わせの異常がありますが、それが原因で肩こりになることはありません。
ですから、歯科医院で治療してもらったとしても肩こりが改善することはありません。
治療をすると、一時的に肩こりの症状が軽くなることはあります。
でも、噛み合わせは、肩こりの原因ではないので、また肩こりの症状がぶり返してきてしまいます。
ツボを刺激すると肩こりが良くなる?
体には、刺激をすると症状が改善するポイントがあります。
それらの場所はツボ(経穴)と呼ばれています。
そして、ツボは体を流れる“気”というエネルギーが出入りする部分です。
そして、“気”がスムーズに流れていて滞りが少なければ、肩こりなどの症状も出にくいです。
これらの考え方は、東洋医学特有のもので、現代西洋医学にはないものです。
肩こりが起きるしくみ
“気”の滞り
↓
内臓の機能の低下
↓
肩の筋肉の緊張が強くなる
↓
肩こり
上記のように、肩こりは“気”の滞りが大元の原因となりますので、ツボを上手に刺激して“気”の滞りを整えていけば、肩こりも改善していきます。
ところで、肩こりに効くツボは、肩井(けんせい)気戸(きこ)中脘(ちゅうかん)手三里(てさんり)臑兪(じゅゆ)などが言われています。
しかし、これらのツボは、押したりして刺激すれば常に効果があるわけではありません。
効果がないのは、刺激の仕方が良くないのではと思われるかもしれませんが、そうではありません。
体というのは常に変化し続けているように、効果のあるツボも常に変化しているものなのです。
ですから、肩こりに効くツボを刺激しても効果が出ないことがあるわけです。
例えば、肩こりに効くと言われるツボではなく、腰痛に効くツボを刺激したほうが肩こりが改善しやすくなることもあります。
ところで、医師の方に肩こりに“気”の滞りが関係していると話をすれば、たいがい「なにそれ?」という顔をされるでしょう。
また、一般の人もこういった考え方に否定的なことも少なくないです。
でも、鍼灸、太極拳、ヨガなどは、元々“気”の滞りを整えて健康を増進させるもので、何千年もやられているものです。
ただ、“気”の滞りを整える調整もやり方によって結果が違ってきます。
肩こりのセルフケアのやりすぎは逆効果
肩こりなどで来られる人に、よく聞かれることがあります。
それは、自宅で出来るストレッチや体操など良い方法はないですかということです。
もし、そのようなストレッチや体操などを提案した場合、なんとか症状を少しでも早く良くしたいと思われてストレッチや体操を一生懸命やられます。
一生懸命やられるのはいいのですが、どうしてもやりすぎになってしまうことがあります。
普通ストレッチ・体操をたくさんやると早く良くなるような気がします。
しかし、たくさんやると逆効果になってせっかく肩こりが良くなってきたのに症状が悪化してしまうことがあります。
そういうことにならないようにするため、私はそういうストレッチや体操などを提案することはしていないです。
そのかわりできるかぎり歩いてもらうようにしています。
ただ、歩き方が悪いとかえって悪化することがあります。
手に物をもたず、できるだけ平らな道を歩くこと。
今流行のウォーキングのようにヒジを曲げずに体の横に自然に垂らしたほうが良いです。
歩くスピードは、普通の速さでよいです。
体を鍛えるために歩くわけではないからです。
体のバランスを整えるために歩くわけです。
整体をするのと同じ考え方です。
筋トレをすると肩こりが改善する?
慢性の肩こりの人が、これ以上悪化させない、また少しでも症状が良くなるようにということで、筋肉トレーニングをされる人が多いと思います。
肩こりで病院に行くと、先生から筋肉を鍛えなさいといわれます。
たしかに肩こりは、ほとんどが筋肉の問題で症状が出ることが多いです。
その結果、筋肉を鍛えると肩こりが良くなるという考え方なのでしょう。
ところが、筋肉を鍛えた結果かえって肩こりが悪化したという人がいます。
また逆に筋トレをやって肩こりが良くなったという人もいます。
悪化した人と良くなった人はどこが違うのでしょうか。
考えられるのは
1.トレーニングの強度・量の問題
2.トレーニングの時期の問題
3.その人の体に合ったメニューのトレーニングであるか
1の強度と量ですが、トレーニングの目的によって違うと思います。
ボディビルのように筋肉の量を増やすのが目的ではなく、肩こりの再発を防止するのが目的としてトレーニングをやるわけですから、それに合った強度と量にするべきです。
2の問題は、症状がほとんどないか、あっても極軽い時にやるべきです。
3は、トレーニングメニューによって症状が良くなったり悪くなったり、変化がないなどいろいろです。
ですから、どこの筋肉をやるかによって結果がかなり違ってきます。
また、トレーニングする時に筋肉を動かす方向によって結果が違います。
以上いろいろ書きましたが、トレーニングをやる場合はあまり自己流ではやらない方が得策です。
ただ、自己流でもそのやり方が理にかなった方法でしたら問題はないでしょう。
でもやり方が分からなければ、専門家に指導を受けたほうがベターだと思います。
最後に、肩こりの再発防止を目的に筋肉トレーニングをやり結果を出すのは難しいと思います。
それは、ちょっとしたやり方の違いによって結果に違いが出るからです。
膀胱の働きがよくないと肩こりが起きる場合もあります
肩甲骨と首の骨(頚椎)に付着している肩甲挙筋という筋肉があります。
肩こりの症状がある人は、この筋肉の部分が緊張して症状が出ることが少なくありません。
肩甲挙筋は、名前の通り肩甲骨を引き上げる働きがあります。
そして、肩甲挙筋は膀胱と関連があります。
ですから、膀胱の働きが良くないとその影響で肩甲挙筋が緊張して、肩こり、首の後ろの部分が痛くなることが少なくないです。
もし、膀胱からの影響で肩甲挙筋が緊張して、肩こり、首の痛みが出ている場合、いくら症状ある部分を調整しても、あまり意味はありません。
一時的に症状が和らぐだけで、また症状がぶり返してくることでしょう。
肩こり、首の痛みを改善に導くには、当然ながら膀胱の働きが良くなっていくような施術をしていく必要があります。
と言って、肩こり、首の痛みがある時に症状がある筋肉と関連のある膀胱に関係しているツボを操作しても、症状が改善するとは限りません。
まったく関係のない部分のツボを操作したほうが、症状が改善されることのほうが多いです。
その辺が体の調整することの難しさがあるわけです。