急性腰痛症は俗にぎっくり腰と言われています。
ヨーロッパでは「魔女の一撃」などと呼ばれています。
ぎっくり腰になるきっかけとしては、重い物を持ったとか、ちょっとした動作、例えば下にある物を拾おうとして、ギクッときたということが多いようです。
また極端な例では、後ろから呼ばれて振り向いた瞬間になるという人もいます。
そのようなちょっとした動作でも、腰の周りの筋肉、靭帯、筋膜などの組織に力が加わり組織が損傷して腰の部分に痛みが出ます。
損傷と言っても、極微小な損傷ですから修復されるのは早いです。
たいがい3~4日くらいで損傷は修復されます。
そして、損傷が修復されれば、症状は消えていきます。
内臓の不調からくる腰痛は長引くことがある
ところが、同じような急性の腰痛になったとしても、3~4日どころか何週間も腰の痛みが引かないこともあります。
そういうケースでは、原因として考えられるのは、内臓の不調によるものです。
内臓の不調と言っても、いろいろあります。
泌尿器系:腎臓、尿路、膀胱、前立腺
消化器系:胃、小腸、大腸、直腸、胆のう
女性:子宮、卵巣
などの器官の機能が落ちて、急性の腰痛を起こす可能性もあるわけです。
内蔵の不調が原因の腰痛と言うと、癌などの重大な病気に結びつける人も多いです。
ですが、急性の腰痛を起こしたら、原因が癌のような重大な病気ばかりだったら大変なことになります。
そういう可能性もありますが、ほとんどの場合が東洋医学で“気”というエネルギーの流れが滞った結果、内蔵の機能が低下し、腰が痛くなるというパターンが多いでしょう。
よくある例としては、便秘をすることによって腰、脚(太もも、ふくらはぎ)、足などが痛くなったり、脚、足にシビレが出たりするというパターン。
こういうパターンの場合、整体施術によって内蔵の機能の低下が回復し、溜まっていた便が排出されれば、腰、脚、足などの痛み、シビレが消えてなくなります。
ただ、便秘をしているからと言って、便秘薬によって溜まっていた便が排出させたとしても内蔵機能の不調が落ちていたものが回復するとは限りませんから、そういう場合は、腰、脚、足などの痛み、脚、足のシビレはなくならないこともあります。
また、腎臓、膀胱などの泌尿器系の臓器からの影響で腰痛が出ることも少なくありません。
ですから、いかにして内蔵機能を回復させるかということになってきます。
私も20代の前半の時にひどいぎっくり腰をやりました。
イスに座っているだけでも痛みがありましたから、三日間安静にして寝ているしかありませんでした。
その時は、寝返りするだけでも激痛が走りました。
もちろんトイレに行くだけでも一苦労で、お風呂も三日間入れませんでした。
四日目にようやく痛みもだいぶ引いて仕事に行きました。
その時は動くのも大変でしたから、病院にも行かず寝ているだけで治りました。
私が経験したぎっくり腰は、症状はひどかったのですが、4日くらいでだいたい仕事に復帰できるくらいまで回復しました。
ですから、仮に内臓からくる腰痛だったとしても、それほど内臓の働きは落ちていなかったのでしょう。
ところで、ぎっくり腰を病院で診てもらうと、椎間板ヘルニア、腰椎分離、すべり症、脊柱管狭窄症などと診断されることがあります。
でも、ヘルニアなどの骨の異常は症状とはほとんど関係ありません。
筋肉の微小な損傷か、内臓の働きが落ちたことが原因です。
ですから、病院で手術を勧められて手術をしたとしても改善しないことも少なくないのです。