コラム
目次
腰や肩の不調には筋トレが向いている?
慢性の腰痛や肩こりの人が、これ以上悪化させない、また少しでも症状が良くなるようにということで筋肉トレーニングをされる人が多いと思います。
腰痛・肩こりで病院に行くと、先生から筋肉を鍛えなさいといわれます。
たしかに腰痛や肩こりは、ほとんどが筋肉の問題で症状が出ることが多いです。
その結果、筋肉を鍛えると腰痛や肩こりが良くなるという考え方なのでしょう。
ところが、筋肉を鍛えた結果かえって腰痛や肩こりが悪化したという人がいます。
また逆に筋トレをやって腰痛や肩こりが良くなったという人もいます。
悪化した人と良くなった人はどこが違うのでしょうか。
考えられるのは、
1.トレーニングの強度・量の問題
2.トレーニングの時期の問題
3.その人の体に合ったメニューのトレーニングであるか
1の強度と量ですが、トレーニングの目的によって違うと思います。
ボディビルのように筋肉の量を増やすのが目的ではなく、腰痛、肩こりの再発を防止するのが目的としてトレーニングをやるわけですから、それに合った強度と量にするべきです。
2の問題は、症状がほとんどないか、あっても極軽い時にやるべきです。
3は、トレーニングメニューによって症状が良くなったり悪くなったり、変化がないなどいろいろです。
ですから、どこの筋肉をやるかによって結果がかなり違ってきます。
また、トレーニングする時に筋肉を動かす方向によって結果が違います。
以上いろいろ書きましたが、トレーニングをやる場合はあまり自己流ではやらない方が得策です。
ただ、自己流でもそのやり方が理にかなった方法でしたら問題はないでしょう。
でもやり方が分からなければ、専門家に指導を受けたほうがベターだと思います。
最後に、腰痛や肩こりの再発防止を目的に筋肉トレーニングをやり結果を出すのは難しいと思います。
それは、ちょっとしたやり方の違いによって結果に違いが出るからです。
正しい歩き方をすると、姿勢が良くなったり、体調が良くなる?
正しい歩き方をすると、姿勢が良くなったり、いろいろな不調が良くなると言われています。
本当なのでしょうか?
その前に、正しい歩き方とはどんなものなのでしょうか。
健康な時も病気の時も、特別に歩き方などを意識せずに歩いているのが、一番自然だと思いますがどうでしょうか?
例えば、お腹が痛くなって、トイレに行きたいときは、自然に前屈みになって歩いています。
また、左足が痛い場合は、自然に痛い左足をかばいながら歩いています。
このような歩き方は、正しくないのでしょうか?
おそらく、正しい歩き方云々と言っている人も、上のような状態のときは、自然にそのような姿勢で歩いていると思います。
話が少し飛びますが、菜食主義者の人が他の人に仕事で菜食を他人に説いていて、普段はその菜食主義者の人は、野菜ばっかりでは精が付かないと言って肉を食べているという話を聞いたことがあります。
仕事で正しい歩き方を指導している人も、おそらく本音では見た目に綺麗な歩き方をすれば、体に負担が大きいと思っているのではないでしょうか。
解剖学などの知識を応用した、いろいろな健康法が出回っています。
でも、そういった解剖学などが100%正しいとは限りません。
今まで常識とされていた理論が見直されて、常識でなくなっている例がたくさんあります。
ですから、健康法を推奨している人も、本音と建前をわけていることが多いですから、注意が必要です。
いろいろな症状が早く良くなる秘密
なぜいろいろな症状が早く良くなるのかということなのですが、一言で言ってしまうと、体の声(ボディーランゲージ)を聞いて施術するから、いろいろな症状が早く良くなるのです。
他の方がやられる施術は、ここの筋肉が縮んでいるから、伸ばすような操作をするとか、ここの筋肉は伸びているから、縮めるような操作をするというふうな調整をします。
要するに、その施術者が頭で考えて、施術する場所を決定して施術します。
施術は体の情報を把握してする必要がある
しかし、私の場合は違います。
私が施術する場所を決めるのではなく、体の声を聞いて施術するわけです。
これでは、何のことか良くわかりませんので、具体的に説明しますと。
体のポイントを順番に軽く触れていくと、一ヶ所だけ他のポイントより反応が大きいところがあります。
その反応の大きかったポイントの部分を、施術する部位として決めるわけです。
その反応を調べる方法は、いろいろありますが、私の場合は膝の曲がり具合を左右比べて、施術する部位を決めます。
体の声を聞いて施術するというと、なんだか怪しい感じがしますね。
でも、病院の診断も患者さんの体の声を聞いて治療しています。
病院の先生の場合は、診察をされるとき問診、視診、聴診、触診、打診などをして患者さんのいろいろな情報をさぐっているわけです。
とにかく、あーでもない、こーでもないと頭で考えて施術する場所を決めると間違いが起きやすいわけです。
その点、体の声を聞いて施術場所を決めれば間違えようがありません。
自動運動(活元運動)が出ると体が良くなるわけではない
整体を行って施術がうまくいくと、自動運動が出るようになります。
自動運動は、別名活元運動と呼ばれていて、手や足などが自分の意思とは関係なく勝手に動き出すことをさします。
一般的に、自動運動が出るようになると体が良くなると言われています。
しかし、そうではありません。
体の緊張が強いのが緩んで、筋肉のバランスの悪い状態が改善しているだけです。
そして、筋肉のバランスが整っただけでは、筋肉の過緊張が一時的に緩んでいるにすぎず、体は良くなりません。
本当に体が良くなっていくためには、筋肉の過緊張が緩むだけでは不十分で、いわゆる“気”が通るようになる必要があります。
“気”がしっかり通るようになると、疲れなどで一時的に筋肉のバランスがくずれたとしても、なにもしなくても自然に自動運動が出て不調が良くなっていきます。
ですから、体に対する施術は、筋肉の過緊張を是正することではなく、しっかりと“気”の滞りを整えていくことが重要なのです。
ところで、自動運動は、錐体外路性運動だとされていますが、それは間違いで錐体路性の運動です。
同じような操作の施術をしても施術結果に大きな違いが出ます
同じような操作の施術をしても違いが出るのは?
整体施術の中で、手や足をいろいろ動かして体を調整する方法があります。
その方法は、整体施術の中でも危険性がほとんどないソフトな調整法ですから、整体施術に恐怖感を持っている人に適したやり方です。
もっとも、荒療治に慣れ親しんだ人にとっては、ソフトな調整法では物足りなさを感じるかもしれません。
それはともかく、同じように手、足を動かして調整をしても、ちょっとしたことで施術結果に大きな違いが出てきます。
手足を動かす調整法は、腰痛、肩こり、膝の痛みなどのいわゆる筋骨格系と言われる症状には向いているようです。
筋骨格系の症状にも種類がありますが、筋肉の疲労による症状には適しています。
ただ、筋骨格系の症状でも内臓が関連している場合も多いです。
そのような場合は、普通に手足を動かす調整では施術結果が出にくいのです。
そのようなケースでは、手足を動かす調整をするにしても、ちょっとした工夫を加えることが必要です。
ですが、そのちょっとした工夫を加えることによって、ぐっと施術範囲が広くなります。
筋骨格系の症状以外にも自律神経失調、うつ病、摂食障害、アトピーといった症状にも対応可能となります。
筋肉のねじれと骨のネジレ
筋肉がねじれているということはご存じでない方が少なくないと思います。
その筋肉のネジレですが、体中のすべての筋肉がネジレています。
一つや二つの筋肉だけではないです。
すべての筋肉でネジレが発生しています。
このすべての筋肉がネジレることで、骨にも影響を与えています。
それは、体中すべての筋肉がネジレることによって骨自体もネジレているのではないかと考えられます。
骨自体のネジレといっても、骨がズレるということではありません。
ずばり、言葉通り「骨がネジレる」わけです。
骨というと普通硬いイメージがあります。
しかし、生きている人間の骨は柔らかいのです。
ですから、骨に付着している筋肉によって骨がネジレやすくなるわけです。
骨がねじられると、骨の中を通っている血管もねじれて来て血流が悪くなります。
そうすると骨も栄養不足におちいり、骨がスカスカになりもろくなり折れやすくなります。
いわゆる骨粗鬆症といわれるものです。
いくらカルシウムなどの栄養をとっても、骨の中の血流が悪ければ吸収されにくいわけです。
それを防ぐためには、骨のネジレを改善させなければなりません。
骨のネジレを改善するには、筋肉のネジレを戻す必要があります。
足がつった時の対処法は?
突然足がつるという経験をされた人は多いと思います。
特に、足ではふくらはぎや足の裏がつることが多いです。
この間、私も夜寝ている時にふくらはぎがつって目が覚めました。
さっそくふくらはぎがつったのを治すために、ふくらはぎの筋肉のストレッチをしてみたのですが、一向に痛みが取れません。
痛くて我慢ができませんので、とっさに膝を曲げてみたところ何とか痛みが治まりました。
普通、ふくらはぎがつった時は筋肉が縮んで痛みが出るのですが、逆にふくらはぎの筋肉の中で伸びて痛みが出ることもあるようです。
筋肉が縮んで痛みが出た時は、ふくらはぎの筋肉を伸ばすようにすれば痛みは治まります。
やり方は、つま先を膝の方向に反らせばふくらはぎの筋肉を伸ばすことができます。
逆に筋肉が伸ばされて痛みが出た時は、ふくらはぎの筋肉を縮めるようにすれば痛みは治まります。
やり方は、つま先を先ほどと逆の方向に反らすか、膝をめいっぱい曲げれば筋肉を縮めることができます。
ふくらはぎがつった時に、ストレッチ(伸ばす)をしてみても治まらない時は、筋肉を縮めるようにすれば痛みが取れることもあると思いますので一度試してみて下さい。
片方の肩が下がっていると症状が出る?
一般的に腰痛、肩こり、膝の痛みなどの症状は、体の歪みが関係していると言われることが多いですね。
例えば右肩が下がっているから、これを良くすれば肩こりも改善しますと言われて、何度も施術を受けられた経験がある人もいると思います。
片方だけ肩が下がっているから症状が出るわけではない
でも本当はそうではないのです。
上の例で右肩が下がっているとします。
その場合、普通は右肩以外の筋肉・筋膜・関節の影響で右肩が下がって肩こりの症状が出ていると説明する人(先生)が多いです。
例えば、骨盤が歪みの影響で右肩が下がることによって、肩こりの症状が出ているという具合です。
ですが、骨盤が歪んで右肩が下がっていても、肩こりの症状が出ていない人はたくさんいます。
そうなると、その説明も怪しくなりますね。
私の考え方はちょっと違います。
肩こりの症状は、肩の下がっていることが原因ではなく、内臓の機能の低下が原因のことが多いです。
内臓の機能低下の影響を受けて、肩の症状が出ているわけです。
この肩こりの症状は、内臓の反射によるものです。
反射とは、例えば、膝の下の骨を叩くと足がポンとはねあがりますが、あれは膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)と呼ばれている現象です。
それと同じように内臓の反射によって、肩の筋肉が緊張して肩こりの症状になっています。
ですから、肩の下がりから症状が出ているという考え方と、私が考え方とはまったく違う考え方になっているわけです。
西洋医学の矛盾
腰痛、足の痛み、しびれなど(坐骨神経痛)で整形外科を受診し、MRIで検査した結果ヘルニアが見つかり腰椎椎間板ヘルニアと診断されることがあります。
しかし、腰椎椎間板ヘルニアと診断されたとしても、重症でない限り手術を勧められることは少ないようです。
症状が軽い場合は、注射、投薬、リハビリなどの保存療法が整形外科の治療の主体となります。
でもそれっておかしくないでしょうか?
なにか矛盾しているような気がします。
西洋医学では、ヘルニアが神経を圧迫して、腰痛、坐骨神経痛の症状が発生するという理論で治療方針を決めています。
ですから、注射、投薬、リハビリなどの保存療法で治療したとしても、飛び出したヘルニアが元の状態に戻るはずがないと思うのですが。
腰椎にヘルニアがあっても、症状がない人がいる
あるデータでは、腰痛、坐骨神経痛の症状がない人でも、成人では7割の人にヘルニアが見つかるそうです。
もしそのデータが本当に正しいとしたら、ヘルニアを除去する手術自体が意味を成さないことになってしまいます。
ヘルニアと診断されて手術を勧められてそれを拒否し、私のところにも来られて、少ない回数の整体施術によって症状が改善した方が少なからずみえます。
症状が改善しても、おそらくヘルニアはそのまま残っていると思います。
誰でも年をとれば顔は老けてきます。
若い容姿のままというわけにはいきません。
それと同じように、ヘルニアという関節の変形は老化現象だと思います。
整体施術をしたとしても、老化現象であるヘルニアという関節の変形を良くすることはできません。
ただし、痛み、しびれなどの症状を改善することは、整体施術でも可能です。