整体について

2022-04-03

目次

骨が変形しているから痛いって本当?

痛いところが悪いと思っていませんか?

整体をしてもすぐに変化がないこともあります

左右の足の長さの違い

安全な整体

整体で直接骨の矯正をすることは必要か?

危険のない整体施術法

体のゆがみを基準にしても整体施術は出来ません

ハードな施術・ソフトな施術

施術には、必要以上の強い力は要りません

整体の目的

整体の役割

骨のズレは、力では動かない

整体などの民間療法は、西洋医学とは体の観方が違います

施術の効果を知る方法

背骨を押すとズレが直る?

整体施術は体の機能を高めることが目的

牽引について

セルフケアはやりすぎると逆効果

整体と呼吸法

骨が変形しているから痛いって本当?

骨が変形しているから腰・ひざ・股関節などに痛みなどの症状が出るということを、まだ信じている人が多いようです。

そのせいか、テレビ、新聞、ネットなどで健康食品が売られています。

健康食品は、軟骨の再生が促進され、ひざの痛みなどに効果があるとされています。

誰でも二十歳をすぎる頃になると骨などは、変形が始まっているといわれています。

また、背骨などの骨も奇形が結構多いそうです。

例えば、腰椎は普通5個ありますが、中には6個ある人もあります。

もし、骨の変形や奇形が痛みなどの症状の原因だとすると全員痛みが出るはずですし、いつも痛みが出ているはずです。

でも、そんな話は聞いたことはありません。

一生肩こりや腰痛にならない人もあります。

腰、ひざ、股関節などの痛みに骨はほとんど関係ない

本当は腰・ひざ・股関節などに痛みは、筋肉・腱、靭帯などの軟部組織に出ています。

その証拠に筋肉・腱、靭帯などの軟部組織を、整体の施術をしますと、痛みなどの症状が良くなります。

決して骨の変形や奇形が治ったわけではありません。

骨の状態はそのままです。

筋肉・腱、靭帯などの軟部組織の緊張が緩んで、症状が良くなったのです。

そういう現実がありますから、そろそろ骨の変形や奇形は痛みなどの症状の原因ではないと認識を改める時期に来ていると思います。

痛いところが悪いと思っていませんか?

腰・肩などが痛いと、痛い部分が悪くなっていると思っている人が多いようです。

そのせいか、痛い部分を触らないと不思議な表情をされる人が多いです。

症状があるところと別のところを触っていると「痛いのはそこじゃないです。

肩が痛いのです肩をやってください。」と言われることもあります。

それで、痛いのは肩ですけど肩を触って施術しても、症状は良くならないのですと説明します。

痛いところに原因はない

実際に痛い肩以外の別のところを施術して痛い肩の症状が良くなっていくと、「なるほど肩が痛くなった原因はそこにあったのですね。」と納得される人もいますし不思議そうな顔をされる人もいます。

実際、症状のあるところに原因があることはまれです。

ほとんどの場合、症状とは別のところが原因となっていることが多いです。

ですから、症状のあるところを触って施術して症状が取れたとしても、まず短期間で元の状態に戻ってしまって、再び同じ症状が出てくるでしょう。

そうならないためには、症状の元となっているところを施術する必要があります。

症状の元となっているところを施術すれば、早ければ一度の施術で良くなっていくこともあります。

また慢性化している場合は多少時間がかかることもあるかもしれません。

特に何年何十年の慢性の症状の場合はそういうことが云えます。

前に、うちに来られていた人なのですが、その人は何十年も体のあちこちに症状が出て調子が悪かったそうです。

それで、ある整体院に何年も通っていました。

施術をしてもらうと、2~3日は体が楽で、また施術をしてもらうと、2~3日は体が楽ということを何年も繰り返していました。

多分その整体院さんは、対症療法(痛いところを施術する方法)の施術をやられていたのでしょう。

それで、他を探していて私の所に来られるようになりました。

この方は、何十年も調子が悪かったわけですから、時間がかかりました。

しかし、うちに来られるようになってからは、だんだん体が楽になってきて、2~3日で元の状態に戻ってしまうということはなくなりました。

そのように体が変化してきたのは、痛いところを施術するのではなく、体が変わるポイントを施術したからだと思います。

整体をしてもすぐに変化がないこともあります

整体に初めてかかられる方の中には、整体を受けると症状がすぐに劇的に変化するというふうに思ってらっしゃる方がおられます。

病院や接骨院など保険が適用される所に比較して、実費の整体などは負担される料金は約10倍位になります。

そのせいなのか、整体に対してかなり期待を持っておられるようです。

期待されるのは光栄なのですが腰が痛い、肩が痛い、首が痛い、足が痛いというような症状には、当然のことですがいろいろな原因があります。

それに、症状にも軽いものもあれば重いものもあります。

又、急に現れた症状でも長い時間かかって原因の部分が悪くなってきて症状が出てくるというものもあります。

そして、症状が出始めて何十年という慢性の症状の方もみえます。

ですから、腰の痛み、肩の痛み、首の痛み、足の痛みといっても症状の回復具合が違ってくるわけです。

左右の足の長さの違い

左右の足の長さが違うということを気にされる方が多いようです。

整体院へ行って、左右の足の長さ違うのですよと、指摘されることが多いからなのでしょうか?

足の長さの違いは気にしなくても大丈夫

ではなぜ足の長さに左右差が起きるのでしょうか?

それは、何か症状があると、全身の筋肉の伸び縮みの左右差が大きくなるからなのです。

この説明では分かりにくいので、腕を曲げると力こぶが出来る上腕二頭筋という筋肉で説明します。上腕二頭筋は、右と左に一つずつあります。

例えば、右側の上腕二頭筋が緊張して縮むと、左側の上腕二頭筋は弛緩して伸びます。

この上腕二頭筋のように全身の骨格筋の左右にある筋肉が、片方は縮んでもう片方は伸びるわけです。

その結果、体の歪みが大きくなるので足を右と左を比べると、長さが違って見えるというわけなのです。

そこで、足の長さを揃える矯正法ですが、体操やエクササイズで足の長さの左右差をそろえることが出来ると、言っている人がいます。

しかし、それは不可能です。

体操やエクササイズをやっても、一時的には左右差が解消されたように見えます。

でも、その状態は5分もしないうちに、元の状態に戻ってしまうでしょう。

体操やエクササイズを何回も何回も続けていけば、徐々に左右差は縮まっていくという意見もあります。

でも、その意見は嘘です。

最初にやって戻ってしまうわけですから、何回やろうと不可能です。

それは、整体で体を調整しても同じことです。

ほとんどの整体の方法では、体の調整をしても、“一瞬”足の長さは左右揃います。

しかし、5分もしないうちに元の状態に戻っているはずです。

何回続けても、おそらく時間が経てば元の状態に戻るのではないでしょうか。

ただ、私のやっている整体の方法だと、戻りが少ないですからある程度左右の足の長さの差を縮めることは出来ます。

でも、あくまでも“ある程度です”。

ですから、私の場合は足の長さの左右差があるということは指摘しません。

出来ないことを指摘しても、意味がないからです。

本当の意味で左右の足の長さが違う人はごくわずかです。

それは、生まれつき股関節に異常がある場合と足の骨を骨折した場合などです。

こういう場合は、骨の問題ですから手術でもしない限り元には戻りません。

骨自体に問題がある人以外は、筋肉の緊張に左右差があるために足の長さが違って見えるだけです。

ですから、足の長さの左右差はそれほど気にする必要はありません。

そもそも足の左右差は症状の原因とはなにも関係ありません。

安全な整体

体の調子が悪くて整体を受けたら、よけいに症状がひどくなったという人が、ちょくちょく来られます。

整体は体を整えるものなのに、体を壊されたのではシャレにもなりません。

整体を受けられる人の中には、ソフトな整体では物足りないと思っている人もいますので、話がややこしくなります。

確かに、ボキッとかポキッと背骨を鳴らしてもらうと、いかにも効きそうな気がします。

背骨の音がしたからといって、背骨が矯正されているわけではないのです。

しかし、施術師の中には、背骨が矯正される時の音だと説明している人がいますが、まったく違います。

確かに、背骨の音がするとその場で痛みが取れることもあります。

でも、それも長続きしません。

早い人ですと数時間~1日で元に戻ってしまいます。

私も過去に背骨をボキボキしてもらった経験があります。

確かに、その場で痛みがなくなりましたが、翌日には元に戻ってしまいました。

その時、関節ボキボキの施術は即効性があるけど、持続性がないなと思いました。

でも、痛みが取れますので、何年間も通っている人がいることは確かです。

ただ、持続性がありませんので、何年間通っても良くなっていくことはありません。

何年間も通って逆に悪化する人もいます。

そして、筋肉に力がない人に数回、関節ボキボキをやっただけで、体がおかしくなってしまうこともあります。

ですから、首に対する関節ボキボキの施術は特に危険です。

悪くすれば、車椅子生活になる恐れがあります。

また、腰椎椎間板ヘルニア・腰椎スベリ症・腰椎分離症など骨に異常がある人に対してもボキボキ音をさせる施術は危険です。

このようなことがありますので、当整体院では背骨に強い力を加えるような施術を行いません。

当整体院では、筋膜に対する施術を行うことによって、体の調整を行っております。

関節に対して、力を加えませんので物足りないと思われる人もいることは確かです。

でも施術は安全が一番だと考えていますので、当整体院では危険な施術はおこなうことはありません。

整体で直接骨の矯正をすることは必要か?

整体の施術では、骨盤や背骨などの骨の矯正を行うことが大切だと言われています。

矯正することによって関節の動きが正されその結果、筋肉が硬くなる原因と歪みを取り除くことが出来るとされています

私も以前は、そのように考えて骨の矯正をしていた時期もありました。

しかし、ある時期から考えが変わり、骨の矯正の必要性を感じなくなり、矯正をすることをやめました。

それでも、矯正をしていた時よりも施術成績が良くなっています。

ですから、一般的に言われる骨の矯正は必ずしも必要だとは考えにくいのです。

そもそも、筋肉が硬くなったり、歪むのは関節の動きとは関係ありません。

筋肉が硬くなることや歪みは、内臓の機能の低下が関係しています。

内臓の機能の低下することによって、筋肉が影響受けて、硬くなったり歪みが起きます。

そして、内臓の機能が低下は“気”の滞りによるものです。

一方、関節の動きが悪くなるのは、神経の働きが関与しているのです。

さらに、神経の働きが悪くなるのは、“気”の滞りの影響です。

ですから、施術は骨の矯正をするよりも、“気”の滞りを整える調整を行っていったほうが、腰痛など体調不良も改善されやすくなるのです。

危険のない整体施術法

私が整体を始めた頃は、骨のズレを直接力をかけて調整していました。

しかし、骨のズレというのは力で動かそうと思っても、そう簡単に動くものではありません。

筋肉の調整は危険性が少ない

そこで、何とか骨のズレを力を用いずに調整する方法を教えてもらえる所はないかと思って探しました。

そこで出会ったのが、以前私が通っていた筋肉を調整して体の歪みを治すという会です。

そこの会で習った施術方法を使って施術すると、力を使って直接骨を矯正しなくても簡単に骨のズレを調整できました。

骨がズレるのは、骨を支えている筋肉のバランスのくずれから起きます。

ですから、骨を支えている筋肉のバランスを調整すれば、力を用いなくても骨のズレは調整されます。

ただ、残念なことに、その会の筋肉の調整をする方法は、持続性が多少低いために、年数が経って、関節の周りの筋肉などの組織がかちかちに硬くなっているような場合は、どうしても施術回数が多くなる傾向が高かったです。

でも、関節に直接触れて、物理的な力でズレを戻すような方法に比べると、力を加えない分危険性がほとんどなく、特に首の関節(頚椎)に関係するような症状には安心して施術が出来ました。

その方法は、持続性に多少問題がありましたので、その後いろいろ研究した結果、今やっているような形に落ち着きました。

今やっている方法は、以前の筋肉を調整する方法に比べ、持続性にすぐれていて、慢性化した腰痛、肩こりなどの症状も少ない回数の施術で改善できるようになりました。

と言っても、世の中には絶対というものは存在しませんので、そのあたりのことはご了承願います。

体のゆがみを基準にしても整体施術は出来ません

整体、カイロプラクティックの施術者は、体の歪みを見てそれを基に施術をすることが多いです。

しかし、体の歪みは、施術をする判断基準の一つにすぎません。

もちろん体のゆがみを見ることは大事です。

私も体のゆがみは、施術前後に調べます。

骨盤がこういう風にゆがんで背骨がこういう風にゆがんでいると。

ところで、体のゆがみが腰痛などの原因になっているという説があります。

しかし、体のゆがみというのはあくまでも結果であって、原因ではありません。

体の中でどこか働きが悪くなった結果、筋肉が影響を受けて体がゆがむわけです。

体がゆがむということは、体は正常に働いているわけです。

生きている間は、体が不調になれば必ず体はゆがみます。

でも、体のゆがみからは、どこを調整すればよいかという情報は得られません。

背骨のゆがみを調べて、腰痛なら骨盤が右にゆがんでいるから左に戻せばよいとか、腰椎の5番が左にゆがんでいるから右に戻せばよいという風に。

以前は私も腰痛なら骨盤や腰椎のゆがみを調べて、それを調整して施術をしていました。

しかし、その方法では腰痛の症状が良くならないことが少なくありませんでした。

現在は、施術の方法を見直して腰痛の症状があっても骨盤や腰椎を調整するということはやっていません。

施術の方法を見直した結果、以前よりも施術結果が良くなりました。

ハードな施術・ソフトな施術

整体には、いろいろな施術方法があります。

ハードな方法やソフトな方法いろいろあります。

ハードな方法は、体をひねって背骨をボキボキするやり方。

体をひねらずに、うつぶせで背骨を強い力で調整するやり方。

ソフトな方法は、体に触れる程度の力で調整するやり方など。

施術を受けられる人によってそれぞれお好みがあると思います。

ハードな方法でないと整体を受けた気がしないという人。

逆に、ハードな方法は怖いからソフトな方法でやって欲しいという人。

いろいろな人がみえます。

ハードな施術方法は、たしかに施術を受ける人は、やってもらったという満足感はあります。

しかし、施術に熟練した人がやらないと危険です。

未熟な施術者の人がやると、逆に体がおかしくなることがあります。

一見ハードにみえる施術方法でも、名人達人クラスの人の施術は実際施術を受けてみると意外とソフトらしいです。

未熟な施術者の人は、力加減がわからないから逆に体をおかしくするわけです。

当整体院はハードな施術はしないので安心してください

整体は痛いことをされたり、骨をボキボキさせたりするというイメージがあるのか知りませんが、整体が初めてという方は緊張のためか体がガチガチになっていることがあります。

女性はもちろんですが、男性の方でもそうです。

でも、私の所は痛いことはもちろん骨をボキボキさせたりしませんので、最初は力が入ってガチガチになっている方も施術をやっていくうちに安心されるのかそのうち力が抜けます。

私もこの仕事を始める前に整体にかかったことがありますが、首をひねってボキッとやられた時には、身構えて力が入った記憶があります。

その時、整体の先生に力を抜いてと云われましたが、怖いですからどうしても力がなかなか抜けませんでした。

ですから、初めて整体にかかられる人の気持ちが分かります。

施術には、必要以上の強い力は要りません

整体と言うと、骨のズレを直す(骨格の矯正)ところだとお考えの人が多いですから、ある程度体に力を加えるものだと思われています。

ですから他の施術師の人は汗だくになって、施術をする人もいます。

でも、骨がズレると言っても、関節の遊びの範囲内でわずかに動きが悪くなっているだけなのです。

関節の遊びというのは、車のハンドルの遊びと同じだと思っていただければよろしいでしょう。

他の施術師の人から骨盤が2cmも3cmもズレていると、言われた人もあるかもしれません。

しかし、それはおおげさに言っているだけです。

骨盤がそんなにズレていたら、大変なことです。

それは、骨のズレというよりか関節の脱臼です。

関節の脱臼の修復は、整体師の仕事ではなく、整形外科、柔道整復師の仕事です。

ところで、骨のズレを調整する方法は、2通りあります。

・直接、骨に触れて調整する方法。

・骨に触れずに間接的に調整する方法。

直接、骨に触れて調整する方法は、上で説明したように関節の遊びの範囲内で動きが悪くなっているだけですから、それを調整するのに、たいした力は必要ありません。

関節に対して、軽いショックを与えてやれば、関節の動きは回復します。

それから、骨に触れずに間接的に調整する方法ですが、一般の方は、そんなことが出来るのかと疑問を持たれる方もおられると思います。

そのような方法でも、関節の調整は可能です。

体の歪みとよく言われます。

体の歪みがひどくなると、関節の動きが悪くなります。

では、なぜ体の歪みがひどくなると関節の動きが悪くなるのでしょうか?

体の歪みがひどくなると、その影響を受けて関節に付着している筋肉、靭帯などの組織が前後、左右、上下でバランスを失います。

その結果、関節の動きが悪くなるわけです。

体の歪みがひどくなっている状態を調整すると、関節に付着している組織のバランスのくずれが解消され、その結果関節の動きが回復するというわけです。

当整体院では、間接的に骨のズレを調整する方法を採用しています。

具体的には、筋膜という組織を調整することによって体の歪みを改善させます。

筋膜を調整するのに、強い力は必要ありません。

軽い力で十分です。

整体の目的

整体は体を整えると書きます。

整体という言葉を辞書で調べてみると、「手や足の力を用いて骨格を矯正し、筋肉や内臓など各部のバランスを整えて、本来の状態に戻すこと」とあります。

整体を受けられる方は、施術は体を真っ直ぐにすることだと思っていらっしゃる方が多いかもしれません。

しかし、施術はあくまでも「本来の状態に戻すこと」が目的になります。

けっして体を真っ直ぐにすることではありません。

あくまでも「本来の状態に戻すこと」です。

「本来の状態に戻すこと」の意味は解釈によって、いろいろな意味に取れるかもしれません。

私は、「本来の状態に戻すこと」とは「その人の一番調子が良かった時まで戻すこと」ではないかと解釈しています。

「本来の状態に戻すこと」を目標として施術しその結果、痛み、シビレなどの症状が改善し悪くなった姿勢が良くなっていくと考えています。

整体の役割

腰痛・肩こりなどの症状がある人の体を皮膚の上から触れてみると、特に症状が慢性化している人の場合全体的に硬くなっています。

皮膚が硬くなっているのは、内臓の影響から来るものです。

整体を施すよって、皮膚が硬くなっているのがほぐれてきて軟らかくなります。

皮膚が軟らかくなると、筋肉の緊張も取れてきて血行が良くなります。

血行が良くなると、内臓も働きが悪くなっているのが改善されて来ます。

そうすると、腰痛や肩こりなどの症状も良くなってきます。

ですから、整体の役割というのは直接症状を治すことではないわけです。

極論を言えば、体の外から皮膚・筋肉・靭帯・関節などに刺激を与えてその動きを良くするだけなのです。

骨のズレは、力では動かない

私が整体を始めた頃は、骨のズレを直接力をかけて調整していました。

しかし、骨のズレというのは力で動かそうと思っても、そう簡単に動くものではありません。

無理をして、大きな力を加えれば、施術事故が起きて危険です。

何とか骨のズレを力を用いずに調整する方法を教えてもらえる所はないかと思って探しました。

そこで出会ったのが、以前私が通っていた筋肉を調整して体の歪みを治すという研修会です。

そこの会で習った施術方法を使って施術すると、力を使って直接骨を矯正しなくても簡単に骨のズレを調整できました。

骨がズレるのは、骨を支えている筋肉のバランスのくずれから起きます。

ですから、骨を支えている筋肉のバランスを調整すれば、力を用いなくても骨のズレはもどります。

ただ、ズレてから年月が経って骨の周りの組織がカチカチになっている場合は、筋肉のバランスを調整してもすぐには骨のズレを戻すことができない時もありますので、少し日数がかかることもあります。

骨の周りの組織がカチカチになるのは、内臓の機能の低下が影響しています。

そして、内臓の機能低下は、体を流れるエネルギー(気)の滞りが関係してますので、“気”の滞りの調整を行っていくと、筋肉を調整するだけの場合よりも早く骨のズレも戻りやすくなります。

整体などの民間療法は、西洋医学とは体の観方が違います

足をクルクル回して、そして体のいろいろなところを調整したら慢性中耳炎の子供の症状が良くなったと、あるブログに書かれていました。

私も過去にそういった経験があります。

ただし、私の場合は、足をクルクル回したりはしません。

他の方法で施術します。

しかし、体をいろいろ操作すると、体の状態がいろいろと変化しますので西洋医学で慢性だと言われている症状が、あっけなく消えてしまうことがあります。

ですから、病院にしかかかったことがない人は、不思議そうな顔をされます。

でも不思議でも何でもありません。

西洋医学と民間療法は、体に対する観方が違います。

体に対する観方が違いますから、当然体に対する処置の仕方も違ってきます。

西洋医学では、基本的に症状がある所、異常がある所を触ります。

しかし、私が行っている整体では、直接症状のある部分に触れて施術することはありません。

では、なぜ症状のある所、異常がある所を触れないのに症状が改善してしまうのでしょうか。

それは、昔から東洋医学などで言われているように体の中を流れている、血液、リンパ液などの体液の流れが良くなって神経の伝達力が回復したからということになります。

ただ、施術と言っても、人がすることです。

人がすることですから、施術をする人によって、体の変化の具合が違ってきます。

体の変化の具合が違ってくれば、当然施術した後の症状改善具合も違います。

ですから、うまく体を変化させることが出来れば、思ってもいないことも起きます。

施術の効果を知る方法

腰痛、肩こりなどの症状で整体に通われている人は多いですが、その通っている整体の効果があるかどうかを知る方法があります。

もちろん、一番気になる症状が解消するのが一番ですが症状が慢性化していると、なかなかそういうわけにはいきません。

症状が慢性化していれば、やはり気になる症状がスッキリなくなるまでにはある程度日にちはかかります。

気になっている症状がすぐに良くならないからといってコロコロ施術所を渡り歩くのもどうかと思います。

慢性の腰痛、肩こりの症状は、良くなるまでそれこそ薄皮をはぐような感じで症状が変化していきますのでなかなか症状の変化に気づきにくいです。

施術を受けて劇的に症状が解消することを期待している人が多いですが、そのようなことはむしろ少ないです。

そこで整体の施術効果が出ているのか、そうではないかを知る方法です。

内臓の働きが良くなっているか

内臓の働きは、調子の波がありますが整体を受けてられて、全体的に調子が良くなっていれば気になる腰痛、肩こりなどの症状も好転していくはずです。

なぜ内臓の働きが良くなるっているかが、施術の効果の判定になるかと言いますと、腰痛、肩こりの原因の殆どが内臓の働きに関係があるからです。

過去の怪我などのきっかけで、腰痛、肩こりの症状が出始めることも多いですが、過去の怪我が基で内臓の働きを悪くして、腰痛、肩こりの症状をこじらせてしまうことも多いですので、施術が効いているかどうかの材料として内臓の働きの良し悪しを挙げたわけです。

背骨を押すとズレが直る?

腰の痛みなどの症状でカイロプラクティックを受けると、調整と称して体を捻って背骨や骨盤などを手などで押したり、腰の部分が落下するテーブル(ベッド)で背骨や骨盤を施術するところがあります。

カイロプラクティックを訪れる人は、それを期待してカイロプラクティックを受けていると思います。

骨はちょっと力を加えたくらいでは動かない

しかし、背骨や骨盤はちょっと手で押したくらいでは動きません。

もし仮に本当に背骨や骨盤を動かそうとすれば、何百キロかの力を加える必要があります。

何百キロの力を加えて動いたとしたら、多分関節が壊れます。

力を加えた骨が首の骨だとしたら多分あの世行きです。

あの世行きでなくても、確実に脊髄損傷で車椅子生活は間違いないです。

では、実際カイロプラクティックで、背骨や骨盤に軽い力を加えて、体が楽になるのはどうしてなのでしょうか?

それは、骨に軽い力を加えることによって神経にショックを与えているのです。

神経にショックを与えると、骨の周りの筋肉、筋膜、靭帯などの緊張がほぐれて、体が楽になるということです。

ですから、決して手で骨を押しても骨のズレは戻りません。

ただし、手の力では骨は動いてくれませんが、体の働きを利用すれば、触れるだけの刺激でも骨は動いてくれます。

骨が動くといっても、1mmくらいです。

当整体院では、その体の働きを利用して骨が動くような調整で施術を行っております。

整体施術は体の機能を高めることが目的

施術を受けに来られる人で施術をすれば、その場で症状が消えてしまうとお考えのひとがいます。

確かに、当整体院でもその場で症状に変化が出て楽になる人もあります。

しかし、施術後すぐに症状にあまり変化がない人もあります。

他の整体院では、施術後すぐに症状が変わるような施術をする人もいます。

その方法は、症状のある部分を押したり揉んだりするやり方です。

ですから、そういった整体院では、その場症状が楽になることが多いようです。

でも、そういった施術をした場合、症状の戻りが早いのです。

こういった施術のことを、対症療法の施術と言います。

この対症療法の施術は即効性があっていいのですが、症状の戻りが早いですから、何度施術しても同じことの繰り返しになりますので、慢性化した症状には向きません。

当整体院では、そのことが分かっていますから、そういった対症療法の施術は行っていません。

と言って、私が手を抜いた施術をしているわけではありません。

整体の施術は、本来症状を直接取るものではないのです。

体の機能が落ちたために、腰痛、肩こりなどの症状が出ていると考えていますので、整体施術を、体の機能を高めることを目的として行っています。

整体施術によって、体の機能が高まってくれば、慢性化した症状も自然に変化してきます。

牽引について

先日、施術が終わった後、病院のリハビリに行きたいのですが、どうですかと聞かれました。

リハビリでは、どういうことをするのですかとお聞きしますと、牽引をしてくれると言われました。

牽引は、効果がないですし、せっかく施術したのに、逆に症状が悪化することがありますから、やらないほうが宜しいですよとお話しました。

筋肉の存在を無視した牽引は意味がない

牽引は、腰や首にベルトを付けておもりで引っ張るのですが、人間の体に筋肉や靭帯などの軟部組織がなく骨だけでしたら、牽引器で体を引っぱれば、効果があるかもしれません。

背骨が曲がっているのですから、おもりで引っ張れば背骨は簡単に真っ直ぐになります。

しかし、背骨が曲がっているということは、背骨の左右の筋肉にバランスの差があるわけです。

例えば、背骨の右の筋肉が縮んでいれば左の筋肉は伸びています。

ですから、筋肉のバランスの左右の差があるのに、真っ直ぐに引っ張ればどういうことになるか、病院の先生が知らないはずはありません。

それなのに、いまだに病院では牽引療法が行われています。

効果がないことが分かっていて、いつまでも続けているのは理解に苦しみます。

セルフケアはやりすぎると逆効果

腰痛・肩こりで来られる人に、よく聞かれることがあります。

それは、自宅で出来るストレッチや体操など良い方法はないですかということです。

もし、そのようなストレッチや体操などを提案した場合、なんとか症状を少しでも早く良くしたいと思われてストレッチや体操を一生懸命やられます。

一生懸命やられるのはいいのですが、どうしてもやりすぎになってしまうことがあります。

普通ストレッチ・体操をたくさんやると早く良くなるような気がします。

しかし、たくさんやると逆効果になってせっかく腰痛や肩こりが良くなってきたのに症状が悪化してしまうことがあります。

そういうことにならないようにするため、私はそういうストレッチや体操などを提案することはしていないです。

整体と呼吸法

呼吸法(例えば、腹式呼吸)をやると健康にいいということです。

確かに呼吸法をやると体調が良くなり、腰痛や肩こりが改善したという人もいるでしょう。

しかし、呼吸法をやったその効果が長く続くかどうかはまた別の話です。

いろいろな健康法がありますが、その健康法の効果ばかりが強調されているような傾向があります。

健康法をやったおかげで健康を害する人も少なからずいます。

例えば、断食。

断食に成功すると、それまでかかえていた体の不調が嘘のように消えることもあります。

しかし、断食に失敗した場合は、命を落とすこともあります。

ですから、いろいろな健康法は気軽にするものではありません。

安易に呼吸法をやるのは危険

呼吸法の話に戻ります。

整体では呼吸を利用して施術する方法があります(呼吸を使わない整体の方法もあります)。

その方法は、操作をする時それに合わせて、呼気でやったり吸気でやったりします。

ですが、呼吸を使った整体の一番効果のある方法は、呼吸の間隙(かんげき)といって呼気から吸気に移る瞬間または、吸気から呼気に移る時に操作する究極のやり方があります。

この方法を使ってやればかなりの効果が出ます。

しかし、この方法は高度な方法ですから使える人はほとんどいません。

このように呼吸法というのは上手くやることが出来れば体調が良くなる可能性は高くなります。

しかし、上手くいかなければ危険です。

整体の研修会などでも技術の練習中に呼吸の使い方を失敗して、体がおかしくなることがよくあります。

呼吸法をやって体の調子が良くなるのは、やった呼吸法が理にかなっていて、体に合ったやり方をした場合だと思います。

逆に体の調子を崩した場合は、体にあってないやり方をしたからでしょう。

経験や知識のない人にとってその呼吸法が自分に合っているかどうかを判断するのは難しいです。

呼吸法をある程度やってみて初めて合わなかったことが分かります。

でも、分かった時には体に相当ダメージを受けて調子の悪いのが続くこともあります。

ですから健康のことを紹介するサイトで呼吸法のやり方を書いてあることが多いですが、ほとんど知識がないのに軽い気持ちで試すことは危険ですので、なるべくやらないほうが賢明です。